道具箱 その1

 フィギュアを作るに当たり、試したこと&失敗したことを書き留めるページです。
 これから書き留めることは、参考になる、というよりかは初心者は
 こんな失敗もするねん。という程度にとらえて経験者の方には笑っていただき
 同じく初心者の方には"気を付けるべし"と感じていただければ
 郡津としては幸いです。

道具編
一般的な道具しか使用していないと思いますが、
念のため列記しておきます。今気づいたんですが、複製作るのって
とてもお金がかかるような気が・・・(気のせいじゃなくて事実)

(原型材料)
・ファンド
 アートクレイの石粉ねんど。以上。
 では、ちょっと寂しいので説明。ファンドには普通版ときめの細かいニューファンドの
 2種類があります。郡津はニューファンドの方を利用していますが、
 あんまり両者の差がわかりません。
 乾燥すると比較的強固ですが水に溶けるのでそのあたりの取り扱いに注意が必要です。
 (研磨時の水研ぎはだめとか・・・)
 一般的に硬質系のものには引っ付かないとされていますが、接続面によっては
 それなりの強度で引っ付いてくれます。原型作りの主材料でしょう。
 表面から硬化していきますので厚みのあるものを作ったときには1日では硬化しないときもあります。
 芯材くらいは別途作っておいたほうがいいのかも。あと、乾燥すると硬化するので
 保管の際には密閉容器に少量の水をたらして保管します。ただし、夏場は水分腐敗のため
 危険な場合もあります。後、長時間こね回すと接着成分が飛ぶのか、
 繊維質のようなものが現れることがあります。

・木部用パテ
 セメダイン エポキシパテ木部用 硬化時間 約10分(完全硬化24時間)
 円筒状のつながっているA剤B剤を混合することにより硬化が始まるタイプのパテ。
 公称硬化時間は10分だか実際は4、5分で相当硬化する。それまでに作業できる
 手際のよさが必要かも。その素敵に短い硬化時間と完全硬化までの切削加工性
 そして入手性のよさが売り。 ウレタンにもファンドにもある程度はひっ付く。
 スパチュラにも引っ付くので水でぬらして少量ずつ作業するのが吉。
 下手するとこれだけで原型が作れなくないことも無いような気がする。
 強いて問題があるといえば値段。30グラムで実売500円オーバーと泣けるほど高い(スカルピーより高い)。
 そしてその臭気。混合後は和らぐが有機質な悪臭がなれない人にはまったくだめかも・・・。

・ラッカーパテ
 タミヤパテ(ラッカーパテ)チューブ入り
 私たちの子供のころのパテといったらこれ。
 乾燥すると容積が減る(俗に言うひける)ためそのことを踏まえて厚盛りの必要がある。
 硬化すると相当に脆いがその分、研磨などはしやすい。これで何かの立体を作るということは、
 まず無く、ラッカーに溶かして塗ったり穴を埋めたりと修正用途で主に使っています。
 この年になってこいつを使うことになるとは思わなかった。

・造形村 サーフェイサー スプレー式GK グレー色
 研磨後の複数素材でつぎはぎになった本体の下地を1色にまとめ、
 傷などを見やすくする効果がある。しかし、どっちかというと少し厚めに塗ることで
 間接部や異種素材の接合強化に役立ったりする。重ね塗りにはたれないように
 必ず間隔を空ける必要がある。
 これを塗り終えると一体の完成品が出来上がったことにもなるので
 終わったときには小一時間ほど見とれることになります。


(成型材料)
・信越シリコーンKE-12・KE-17
 物性は並。KE-12がやわらかく、KE-17が硬いといわれる。
 主にKE-12を利用。同クラスの中では比較的高価な分類に入る。
これを使う最大の理由は別売の硬化促進剤で硬化が8時間から1時間に
 短縮できるということ。これが切羽詰ったときの最大の強み。
 そして、硬化促進剤を使っても極端な物性の変化が無いことも強み。
 ちゃんとした型を作って離型剤を適切に用いれば
 定格以上の40ショットは問題なく抜ける。時間に対してリニアに硬化する。







・ボークス EXシリコーン
目立たない面に対して利用することの多いシリコン。
比較的安く、普通に使う分には問題は無い。やわらかさなどKE-12に
似ている気がするが、硬化はKE-12に比べてリニアではなく
予定の半分を過ぎても不安を抱かせるときがある。
温度を高くすると硬化時間はかなり短くなる傾向が強い。








・ハイリムーバー94
スプレー式離型剤
本来はゴム型とキャストの抜けをよくするためのものですが。フッ素系速乾性で
とても薄い状態になるため郡津では2面以降のシリコン同士の接着防止の際にも
利用しています。注型時に若干マットな感じになりますが、それも個人的には好みです。
これが有ると無いとではショット数に倍以上の開きが出ます。
フッ素系ですが塗装時には必ず洗浄が必要です。
お値段ちょい高めですが郡津自身は不満点はまったく無いお勧め商品かと・・・。

多分、これくらいがうちの中では一番特殊な部材ではないかと・・・(笑)。





(注型材料)

・ほいく粘土
油ねんど。成型時に必須。ぼろぼろとこぼれることが無く、取り外し時の作業性が良い。
・・・といわれる。これしか使ったことがないのでなんともいえないが、油ねんど特有のにおいは
やや控えめなところはGood!

・HEICAST  ハイキャスト
アイボリー キシレンタイプ
 安定した物性でロングランとなっているフィギュアの主要材料
 ちっと粘性があるような気がしないでもない。
 要換気

・ボークス キャスト
 白
 粘性が低くHICASTよりかは大小問わず泡抜けが良いような気がする。
 というかボークスのキャスト、アイボリーが、見当たんないんだけど・・・どこにあるのかな?
 これもキシレン形だが濃度が高く要換気&できたらガスマスク。

(塗装材料)
・オレンジピールジョイ
塗装の前に絶対必要な離型落とし。当方ではオレンジピールジョイによる
長時間付け置き洗いがおすすめです。郡津の形成品では出荷の段階では
実施しておりませんのでお客様のほうで実施していただく必要があります。

・造形村 サーフェイサー スプレー式GK 肌色